RTAS (Race Timing Antenna System) はマラソンや自転車ロードレースのタイミング計測用に開発された全天候型のマットアンテナです。
レースタイミング・アンテナシステムRTASは、マラソンや自転車競技などのロードレースの時間計測を目的に開発されました。特に国内では従来、ロードレースでの計時用途には電池を内蔵しているアクティブ・タグや、セミアクティブ・タグが利用されてきました。
それに対してRTASは、UHF帯のRFIDを利用して、電池を必要としないパッシブ・タグで計時を行うためのアンテナ・システムであり、欧米など海外ではすでに広く採用されています。
パッシブ・タグはコストがはるかに低く、タグを読み取るリーダも安価であり、全体としてローコストな計時システムを構成することができるため、レースの主催者や参加者の経済的な負担が軽くなります。
わが国では特にマラソンが国民的なスポーツとして定着して、世界でも類を見ないほどの競技人口になっています。レース参加者の経済的な負担を軽減することは、競技への参加者の健康の増進と福祉の向上に貢献することが期待されています。
RTASは直線偏波アンテナでタグとの交信性能が極めて高く、タグの通過検知に適しています。外装はモールドされた硬質ポリウレタン製で、屋外で雨に濡れても安定したタグの読み取りが可能です。
6枚までのマットを横に連結できる構造で、最大幅7.32 メートルまで拡張させて運用することができます。連結をする際には、アンテナケーブルをマットの内部に埋め込み、外部からは見えない構造に設計されています。海外のロードレースでは、Impinj Speedway R420とTimes-7 RTASの組み合わせが事実上の標準としての地位を確立しています。
レースでの時間計測の用途だけではなく、人や物に RFIDタグを取り付けることにより、マットの上を通過したタグを検知する用途に応用することも可能です。イベント会場や倉庫、工場の出入り口での通過チェック、セキュリティ・エリアなどでの人や物の動きを検知する運用にも利用することができます。
寸法 | 1220mm(L) × 600mm(W) × 12mm(D) |
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重量 | 8400 g |
表面素材 | ポリウレタン |
耐環境性能 | IP66 |
動作温度 | 0℃ ~ 50℃ |
保存温度範囲 | -30℃ ~ 60℃ |
コネクタ | RPTNC |
ケーブル | 2.62m, 3.84m, 5.06m, 6.28m, 7.50m, 8.72m ※いずれかを付属 |
交信周波数 | 902 - 928 MHz |
偏波方式 | 直線偏波 |
ファーフィールド利得 | 10dBi |
高性能リストバンド・タグは、マラソンの計時を目的に開発されたパッシブ・タグです。
マラソンや競歩など、ロードレースでの走行時間の計測に適したリストバンド・タグです。人体の60% 以上は水分であり、RFIDタグを人体に付けると、水分がタグの交信性能を著しく低下させます。
このリストバンド・タグはインレイをシリコンゴムに封入しており、腕に巻いたときにアンテナとの交信性能が最大になるようにチューニングをしています。
このリストバンド・タグを腕に巻いてRTASの上を走り抜けると、競技者の通過を検知することが可能になります。
寸法 |
タグ部 25mm(L) × 32mm(W) × 7mm(H) バンド部 250mm(L) × 18mm(W) × 3mm(H) |
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重量 | 38 g |
外装素材 | シリコンゴム |
耐環境性能 | IP68 |
動作温度 | -20℃ ~ 60℃ |
保存温度範囲 | -20℃ ~ 60℃ |
交信規格 | EPC C1 Gen2 |
対応周波数 | 902 - 928 MHz |
搭載メモリ | EPC 96bits, TID 96bits |